うらそえ日記

奇談小説家・早見慎司(早見裕司)の公式ブログです。
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私の負けです>美少女

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    「父ちゃん、きょうは何の愚痴ですか」

    「いやあ、愚痴というか、世間にすみません、という感じなんですけどね」

    「聴くだけなら、聴きますよ」

    「うん……私は、『美少女』ということばが大嫌いなのね」

    「理由は?」

    「論理的な理由はない。ただ、使いたくないんだよ。それが……」

    「何かあったんですね」

    「最近、『日本国語大辞典』(初版)を、やけで買ったんですね」

    「その話は聴いたような気がしますが」

    「それで、ふと思い立って、『美少女』ということばがあるかどうか調べてみたら、『浮世草子』に出てくる、というのね」

    「『浮世草子』ってなんですか」

    「江戸時代に流行った、通俗小説で、代表的なものは『好色一代男』とか、そういうの」

    「ぜんぜん古いじゃないですか」

    「そうなんだよ……。無理を言って、『少女ヒーロー読本』のタイトルを変えなかったのが恥ずかしい」

    「まあ、ひとつ単語を覚えたと思えばいいじゃないですか」

    「それでも、使うのには抵抗があるけどね」

    「そこが父ちゃんの情けない自意識というやつですよ」

     

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    9月に新刊『青蘭国後宮みがわり草紙』が出ます・早見慎司

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       Amazonで、予約が始まったので、正式に告知します。来たる9月25日に、早見慎司の新刊『青蘭国後宮みがわり草紙』(メディアワークス文庫)が発売になる予定です。

       内容は、まあよくある後宮物という分野で、後宮(大奥とも、ハレムとも呼ばれる)に身代わりで入った17歳の少女・蓮華(れんか)が、活躍しつつ、ちょっと恋愛の要素が入る……みたいな感じです、ってほんとにベタなタイトルで、ありがちな紹介になりましたが、まあ、酒見賢一さんの『後宮小説』や、紫式部さんの『源氏物語』や、その流れを汲む、肩の凝らない小説です。

       ……って、紫式部に「さん」を付けるのはやめなさい。はい。

       ということですので、予約、書店での注文、その他、よろしくお願いいたします。いつものことですが、この一冊が売れないと、後がありませんので、ひたすら、買っていただきたい、と祈っております。

       重ねて、お願いいたします。9月25日です。

       

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