きょうの話題は、分からない方には全然分からない、と思いますので、そういう方には申しわけないのですが、川崎洋作詞、湯山昭作曲の「ゆうやけの歌」です。
私がLPの時代に(「アナログ盤」というべきでしょうか?)持っていた「ゆうやけの歌」は、崇徳高等学校グリークラブのもので、調べた限りでは、この崇徳高校が初演、ということになっています。全日本合唱コンクールで、崇徳高校はこの曲で金賞を受賞しました。「全日本学校音楽コンクール」とは違います。あちらはNHK主催のものです。
その後、さまざまな合唱団がこの曲を演奏し、YouTubeを見れば、いくつもの「ゆうやけの歌」を発見できるのですが、私の好みで言えば、やはり初演の崇徳高校のものが、いちばん魅力的です。理由はごく簡単で、速いんですね、曲--が。
いま、iTunes に入っている「ゆうやけの歌」を比べてみると、崇徳高校の初演版は8分56秒、合唱の神様:福永陽一郎先生が指揮の同志社グリークラブの演奏は、10分42秒。実に、1分46秒の違いがあります。
で、ここからは、全く私の個人的な意見ですが、初演版は、速さに振り回されて、ちょっと歌詞が不明瞭な点もあるのですが、それも含めて、この曲のテーマになっている「若さ」を感じさせる、――と言ったら言い過ぎでしょうか。ただ、私はそう思うんですね。
これは両極端を取っての意見なので、一般的に、この曲をいろんな意味で楽しめるものとしては、会津高校版がいいのではないでしょうか。9分17秒ですが、曲の持つ緊張感が得られる、と思います。
音楽の速度というのは、けっこう微妙なもので、例えば、「アイアンキング」の主題歌は、オリジナルのものが2分43秒、同じ子門真人でほぼ同じ演奏のコロムビア・カバー版が2分52秒なのですが、わずか9秒長いだけで、もう、だれちゃって……というのが、私の感想なんですが、音楽や映像は体験なので、先に長いほうを聴いていれば、また違う感想になるのかな、と思います。難しいもんです。