うらそえ日記

奇談小説家・早見慎司(早見裕司)の公式ブログです。
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中森明菜「FIXER」

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     中森明菜の「FIXER」ですが、そうですね……最初からこういう歌手だ、と思って聴けば、相変わらずの(ここ、矛盾していますが、他に言いようがないので……)何かに挑戦しようとする中森明菜が味わえて、いいアルバムだ、と思います。いろんなことを経て、声は大丈夫なのか、と紅白で心配もさせられましたが、退く姿勢が全然ありません。熱唱はできませんが、媚びも退きもしない中森明菜を、私は応援していくでしょう……たぶん。
     「たぶん」と言うのは、こういう破滅型の人は、何がどうなるのか分からないんで、そこは保留です。ただ、それも含めての、中森明菜ファン、ということですね。
     しかし、もう昔の曲は歌えないんでしょうねえ……。

     
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    名前

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       小説の何が怖いかって、人名を怖ろしい速さで消費する、ということです。
       現実の人間と、基本的には重ならないように、Googleで検索してチェックするのですが、たとえば「メイド刑事」だと、1話につき、犯人、被害者、その他の人物で、各話ごとに10人ぐらい人名が必要になることがあって、1巻30人の人物、というと、チェックと、現実の人の名前と重なったときの回避策で、時間がかかってしかたがありません。
       あまり神経質になると、名前だけで1日2日かかってしまうので、頭の痛いところです。
       そう考えると、西尾維新氏は、賢い命名法を使っている、と言えるでしょう。
       なんでこんなことを書いているかというと、新作の女性主人公の名前が、平凡すぎて困っているからなんですが……。
       小説の主人公の名前には、ある法則があって、企業秘密なんですが、実際、それを守った小説は、売れます。そういう点でも、迷います。

       
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      句読点

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         今どき、音楽の話題と言えば、あれやあれの件がどんどん出てくるのでしょうが、あいにく、消えてもいない囲炉裏に素足を突っこむようなまねはしたくないので。ひとつ言うと、「両成敗」のおまけのトートバッグ、ものすごく実用的でした。来週届くのは、中森明菜の「FIXER」です。以上。

         で、全然関係ありませんが、自分の作品の句読点が気になって、「早見裕司 句読点」で調べてみると(早見慎司がなかなか浸透してくれないので)、句読点が「多すぎる」というのと、「少なすぎる」、というのがありました。
         ここで話を終えてしまうと、アンフェアなことになります。「少なすぎる」というのは、短篇「終夜図書館」に対してのもので、「句読点が多すぎる」というのは、まあ、それ以外、ほぼ全部と考えて、いいか、と思います。
        いま、「まあ、それ以外、ほぼ全部と考えて、いいか、と思います。」と書きましたが、これは「まあそれ以外ほぼ全部と考えていいかと思います。」まで詰めることができますね。しかし、それだと私のブレスに合いません。いまの感じだと、「まあそれ以外、ほぼ全部と考えていいか、と思います。」ぐらいのブレスが、ちょうどよく思われます。ちなみにそれは、紙の本でのことで、ブログは読みづらいので、意識的に句読点を増やしています。
         ひとつひとつに、理由はあるんです。「〜と思います」のような「〜と」の前に点を打つのは、読点の、私のルールでして、だったらなぜ、「全部と考えていいか」の「と」に読点を打たないかというと、直後に「、と」があるので、美しくないからです。
         この、ブレスの問題は、私がもうちょっと偉くなったら、掘り下げてみようか、とも思いますが、極めて生理的なものですから、明文化はできませんね。
         でまあ、句読点が多すぎる、と言われ続けてきたので、句読点のない真っ黒な文面に、沖縄と図書館の「過剰」を仮託してみたのが「終夜図書館」ですが、大方は、「句読点がないが、そう読みにくくはなかった」、というようなご感想をいただいております。
         それは、普段、バカにされながらも、句読点のことをできるだけ考えているから書けるのであって、
         たとえば、
         このように。
         極力、
         句読点を打つ。
         という文章も、
         成り立つわけですね。
         まあ、これは花井愛子さんのまねですが、何だか最近、文章についての許容範囲が、みょうーーに不自由になっていることも事実です。そのあまり、ベスターの「虎よ!虎よ!」や、夢枕獏さんのタイポグラフィ小説までdis ってしまう、際限のない批判者もいるというのは、あまり愉快なことではありません。
         ラノベは。
         すくなくとも
         私の知っているラノベは。
         もっと、もっと、
         自由だった――。
         はずでした。

         ほんとうは、「ラノベ」がではなく、その前の、「ジュニア文庫」が、なんですけどね。
         いずれにせよ、どうやら私の句読点は、快適に感じない方が多いようですので、ひと工夫してみたほうが、いいかもしれません。

         




         
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