お釈迦様でも
いま、書庫を探す気力がないのですが、ブルース・スターリングの「ニューロマンサー」の冒頭で、「港の空の色は、空きチャンネルに合わせたTVの色だった。」という(はずの)表現があって、うまいことを言うものだ、と思いましたが(千葉ですね、ちなみに)、さすがのスターリングも、こんなに早く、空きチャンネルのTVが単なる黒色になるとは思っていなかったでしょうね。いや、敢えてそう表現する「手法」も、あるにはあるんですが……。
私はSFを書きませんが、SF作家は大変だなあ……と思っています。
もっとも、これはSFに限ったことではないので、さる高名なミステリ作家の作品に、アリバイを作るために「自動車電話から電話をかける」、というのがありまして、ちょっと意識が飛んだのですが(嘘)、時代に寄り沿った小説の場合、風化の可能性は非常に大きいですね。
たとえば、水淵季里の場合、遊佐未森の「僕の森」が好きだ、という基本設定は、絶対に崩したくない、というのがありまして、そのため、周りの設定を替え続けざるを得ない、という問題が、ややこしいことになっています。
ただ、どう考えても、小室サウンドや、ヒップホップの好きな季里というのは考えづらくて、いまでは、単なる変人になりつつあるのですが、私にとって、譲れないのは遊佐未森やPSY・Sなのです。
季里の小説に、同時代性を憶える方には、ぜひ、小説を買って下さい、と言うことになります。それ以外、彼女のような、時代と関係のない子を、活かしておくことはできないからです。
私はSFを書きませんが、SF作家は大変だなあ……と思っています。
もっとも、これはSFに限ったことではないので、さる高名なミステリ作家の作品に、アリバイを作るために「自動車電話から電話をかける」、というのがありまして、ちょっと意識が飛んだのですが(嘘)、時代に寄り沿った小説の場合、風化の可能性は非常に大きいですね。
たとえば、水淵季里の場合、遊佐未森の「僕の森」が好きだ、という基本設定は、絶対に崩したくない、というのがありまして、そのため、周りの設定を替え続けざるを得ない、という問題が、ややこしいことになっています。
ただ、どう考えても、小室サウンドや、ヒップホップの好きな季里というのは考えづらくて、いまでは、単なる変人になりつつあるのですが、私にとって、譲れないのは遊佐未森やPSY・Sなのです。
季里の小説に、同時代性を憶える方には、ぜひ、小説を買って下さい、と言うことになります。それ以外、彼女のような、時代と関係のない子を、活かしておくことはできないからです。