うらそえ日記

奇談小説家・早見慎司(早見裕司)の公式ブログです。
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追悼:藤村俊二

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     「アメリカを震撼させた夜」というアメリカ映画、正確にはテレフィーチャーがあって、ラジオの嘘番組、「火星人襲来」をやる、という実話です。一応、ドラマの時間だ、と最初に言っているらしいんですが、その後、「現場からの中継」が始まり、聴取者がこれは本当か? と騒ぎ始めて……という話で、ラジオのディレクターだったのが、若き日のオーソン・ウェルズという(これも実話)大変凝った作りのテレフィーチャーなのですが、中に、さまざまな物を使って効果音を作るシーンが出てきます。アメリカ映画のファンなら知っていても損はしない作品で、タイトルで調べるとYouTubeにアップされているようです。

     日本でも、1970年台から80年台にかけて、例えばフジの深夜番組で「音効さん」という効果音の専門家の番組があったり、古くから効果音に携わってきた人の回顧録が本で出たり(いま、見つからないので書名が書けません。ごめんなさい)して、活火山のマグマがグツグツ煮え立つ映像があって、当然ながら、そんなものをアップにして音が録れるわけがないので音効さんに回ってきて、試行錯誤の末、小豆を煮る音をつけてみたところ、来日した科学者が、「こんなものの音が録れるとは、日本はすばらしい!」とその録音テープを持って帰って、後日、海外のテレビを見たら、その音が噴火口のアップに使われていた――とか、そういう逸話には事欠かないんですが、そんなわけで、効果音は数々の伝説を生んできました。

     「ラヂオの時間」は、たぶん、三谷幸喜のことですから、「アメリカを震撼させた夜」を意識しているのだろう、と憶測するのですが、そうでなくても、演劇も音効は重要なポジションなので、逸話もあるのかもしれません。

     いまは守衛になっているかつての名音効マン・藤村俊二の、誇りを捨てていない飄々とした態度は、けだし名演と言えるでしょう。というか、私が三谷幸喜の映画で面白かったのは、全部合わせて、そこだけなんですが。

    (「古畑任三郎」は大好きです)

     ご自分自身が、徹底して飄々と生きられ、気がつくと姿を消していた藤村俊二さんの、ご冥福をお祈りします。

     

     

     

     

     

     

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