うらそえ日記

奇談小説家・早見慎司(早見裕司)の公式ブログです。
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声優魂・大塚明夫

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     「吸血姫美夕」でたいへんお世話になった大塚明夫さんの「声優魂」(星海社新書)が出ました。
     これを見ると、「美夕」の頃は、大塚さんは40歳前だった、と分かりましたが、そんな若さを感じさせない、堂々とした演技でした。だからこそ、平野監督が二度に亘って(「セピアの肖像」の主人公と、冷羽の父)大きな役をお任せしたのでしょうが。
     その人のことばだから、私も真剣に読みましたが、これは嘘のない本だ、と思います。「声優だけはやめておけ」という帯の文句は、逆説ではありません。声優が、なろうとしてなれるものではないこととか、いかに儲からないかとか、そもそもなろうと思った時点でバカだとか、時に過剰に思えるほどの、辛辣な、しかし、本当のことを書いています。
     私が、まあないでしょうが、小説家の成り方の本を書いたとしたら、これぐらいのことを書かなければならないのではないか、とも思いました。

     だけどねえ……こういうことって、言われるとむかつくことしかできない人も、いるんですよねえ……。
     そういう人は、最後の1Pを、読んでいないんじゃないか、と思います。
     「吸血姫美夕」の、芝居小屋のシーン、ここ、実は殆ど演技をつけていないんですね。どさ回りの厳談の「蘆屋道満大内鑑、のつもり」、のところですが、歌舞伎の節回しを、全員が引き出しを開けて、それらしく演じている。見ている人には分からない人もいると思いますが、あれが、声優です。
     なんとか、大塚さんのように、芸の上で切磋琢磨できる時台が、来ますように……。

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