うらそえ日記

奇談小説家・早見慎司(早見裕司)の公式ブログです。
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悪人の資格

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    最近、春日太一さん(映画史・時代劇研究家)の著作を、集中して読んでいます。いや、集中して読む気はなかったんですが、続けて本が出るもので。時代劇の本が、続けて5冊ほど出たでしょうか。愛読しています。
     一気に読んでしまうのが惜しいほど、濃密でアグレッシヴな文章で、奮起させられるのですが、私がなぜ、時代劇に関する本を読むかというと、そこに、勧善懲悪のポイントがあるように思うからです。
     例えば「メイド刑事」のような、勧善懲悪の物語には、主人公の少女ヒーローとしての原理と、悪人の、退治されるべき悪の原理が衝突することを、考える必要があります。そこが、「メイド刑事」以降、いろいろあって、私の中で磨り減ってしまったんですね。悪人にも悪人なりの理由があるだろう、とか。
     それは、ドラマツルギーとしては当然あり得ることなのですが、それでは、勧善懲悪の物語にどうしても必要な、カタルシスが生まれてきません。普通に悪玉だから、ということでは、闘いにならないのです。どうしても倒したい(殺したい、ではありませんので念のため)そんな悪人を作り上げたとき、初めてヒーローが乗り出す動機になります。
     そんなことは当たり前だ、と言われそうですが、人間、ちょっと知恵がついてくると、単純な原理が分からなくなってしまうものなんですね……。
     とにかく、私はこれからも勧善懲悪の物語を書くし、それは、いつも心の底にあるものだ、と思っています。
     「スケバン刑事」では(TVで)「てめえらのような小悪党は許せねえんだ」、という迷台詞がありましたが、小悪党じゃだめなんですよね……。


     
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