うらそえ日記

奇談小説家・早見慎司(早見裕司)の公式ブログです。
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落語

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     アクセス解析をかけてみたのですが、「猫の皿」がどんどん検索されていて、あらまあ、と思いました。

     「猫の皿」は粋な噺だ、と、私は思うのですが、この粋という感覚が、今の芸人にはあまり共有されている感覚ではないのかな、と思います。

     ただ、古典落語の衰退とともに、時代は新しい笑いの形を欲していて、そこに萩本欽一の入る余地があった……って何十年前の話だよ。とにかく、落語はいったんは衰退した、と思います。そして、理由はものすごく長くなるので割愛させていただきたいのですが、古典落語にも、「俺の噺を聴かないのは莫迦だ」という流れがあったことも、私は知っています。

     古典の古典たる品格と、現代でも笑ってもらえる笑いの要素の(いや、圓朝の怪談とかは別ですけどね)両輪が回っていないと、うまいこと進んでいかないんじゃないかと思います。

     私が子供の頃には、TVで毎日のように落語をやっていて、これが大笑いしたんですよね。その頃といまと、どこが違うのか私にもわからないんですが、そうですね……古典落語って、存外面白いものですよ。まだ、伝統芸能に入れるのは惜しいです。

     

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    結城恭介さん

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       そういえば、久しく見ていないな……と思って、結城恭介さんについて調べたら、ご本人のサイトにたどり着きました。Wikiに載っているので、調べてみて下さい。

       結城さんと言えば、若き天才として(実際、私より年下です。キャリアは向こうが長いはずですが)小説新潮新人賞で井上ひさし、筒井康隆の二大作家に認められ、アニメージュ文庫で「理姫−YURIHIME−」という、青春SFの傑作を書かれた方ですが(一般的には、「ガンダム0080」のノヴェライズのほうが有名?)、その後、「ジャンスカ同盟」シリーズを書いたぐらいで、意外に活躍していない、という印象があります。大きなお世話ですね、ごめんなさい。

       新しいサイトでは、新しい試みを始めていらっしゃるようですし、これからも見守っていきたい、と思いますが、結城さんや岩本隆雄さんのような、リリカルな作品の書ける方が、必ずしも成功しないというのは、……あ、フィニイやボーモントもそうか。とにかく、一読者としては、もっとリリカルを、という気持ちがないわけではありません。

       お前はどうなんだ、という話もあるんですが、日々奮闘中、少なくともブログを書く暇がないぐらいには忙しいんですけどね。

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      タイトルも書けやしない

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         こういう仕事をしていると、読書量は、人並みよりはちょっと多いんですが、中には、読んで損をした、という本も、あるにはあります。
         好き嫌いはあまりないのですが、今までで、買って損をした、と思った本は、3冊です。ブログを炎上させる趣味はないので、書名は伏せておきますが、主に、モラルの問題で到底受け入れられない、そういう本です。小説もあります。
         それでも、読まなければならないのが、この稼業ですね。読んだ後の気持ちの悪さを忘れないこと。自ら傷口に塩を塗るような作業ですが、それが仕事です。
         私が20年若かったら、書名を書いているところですが、ブログのためにネタを提供する心境では、なくなりましたので、まあ、そういうこともあるんだろうな、ぐらいで勘弁して下さい。最近、プロットに忙殺されていて、おいしいネタがないんです。
         
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        ぶたぶたシリーズ

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           矢崎存美さんの、ぶたぶたシリーズ最新刊は、「ぶたぶたの甘いもの」です。今月、届きました。
           これぐらい書くと、ネタが尽きるか、と思ったりするのですが、そこは矢崎さん、安定して、どんどん面白くなっているように感じます。
           光文社文庫だけから出ているわけではないのですが、全部で、約20冊近くになりますね。
           どこから読み始めても面白い、読み終わった後、笑顔になれる本です。

           しかし、矢崎存美さんが長篇デビューしたのは、たぶんMOE文庫スイートハートの、「ありのままなら純情ボーイ」だと思うのですが、これがまた、てるてる坊主のゾンビが出てくる、不思議な作品で、そこから読んでいると、矢崎さんの作風は、グライダーのようなものだ、と思うんですが、うまく説明できません。
           知っている人は知っているように、矢崎さんはホラー短篇の名手でもありますが、そこで得た、虚実のちょっとした(実はとても大事な)バランスが絶妙です。
           最近は、「かもめ食堂」シリーズなども始まりましたが、矢崎さんの、地上すれすれの所をふんわりと飛んでくる、安定した腕は、やはり、グライダーだ、と思います。
           
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          現代詩の一例

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             アクセス解析で、検索キーワードを見ると、あいかわらず、「メイプルシロップ」がトップに立っています。そんなに難しかったでしょうかねえ。
             だったら、例えばこういう詩はどうでしょう。長いので、一部抜粋にしますが、網谷厚子さんの「小夜子の夜」。

             白い水の底で 透き通る絹の衣を靡かせている 頭から被り ふわふわと足音もなく 飛ぶように軽やかに 絹を身体から滑らせて 両手をまっすぐ伸ばし 伸ばした先の手のひらを 蓮の花のように丸めて合わせる(以下略)

             これだけだと、クラゲの話か、と思う方もいらっしゃるでしょうが、これは、山口小夜子さん(どういう人かは、ググって下さい)の、「山口小夜子さんを送る夜」(築地本願寺にて)の経験から来た詩であるらしい旨、注がついています。
             現代詩というのは、私もよくは分からないのですが、網谷さんや、吉行理恵さんの詩集は、ときどき読み返しております。ことば、というものを練りに練った作品は、詩ならではの美しさを(ときには意味が分からないものもありますが)、感じさせてくれます。
             ショートショートに似ているかもしれません。井上雅彦さんのショートショートなどには、現代詩に通じるものがあります。
             私はラノベの作家ですから、わかりやすさを追求するわけですが、だからこそ、読者の美意識に挑戦してくるような現代詩というものは、尊いと思われるのです。
             
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            太宰治「女生徒」と遠藤久美子

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               きょうも、ノルマの2倍をこなしました。ふう……。
               小説を書いているときは、神経がどうしても昂ぶってしまうので、クールダウンして、快眠するには、ちょっと時間がかかります。そういうときに聴くのが、iTunes Store にある、太宰治の「女生徒」のオーディオブック、早い話が朗読です。
               私が朗読好きだ、というのは、「吸血姫美夕 スペシャル・ドラマII」の「冷羽〜風の中で〜」を聴かれた方にはご存じの通りですが、「女生徒」は、遠藤久美子が朗読していて、太宰治の露悪的なところが、よく出ています。芝居を抑えて、やや投げやりに語っている遠藤久美子の意気やよし、というところでしょうか。
               問題は、多少高いことなのですが(前後編・各1100円)、遠藤久美子のファンでなくても、一聴の価値は、あるように思われます。
               ……最近、夜は目がかすむようになりました。おやすみなさい。良い夢を。
               
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              老眼用文庫の提唱

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                 最近、近眼が進んで、小さい字が特に夜中にはまるで読めないので、それが私をいらいらに陥れます。
                 夜、読む本は、専門書が多いものですから、自ずから文字が小さくなります。
                 それで、私が提唱したいのは、これから増えていく中高年向けの本です。
                 例えば東洋文庫がありますね。あの大きさで、コストが見合う程度の小説本が作れないでしょうか。
                 すでに、その動きは始まっている……と聴いたことがあるんですが、中高年にでもならないと、本もおちおち読んでいられないような憂き世ですから、小説も、大きい文字で出してくれるといいかもしれない。
                 ついでに言うと、Jコミで出した私の本のように、終わりの「何もない、夏の一日」はおくとして、スキャナーでPDFファイルにしたものですから、いざ画面で見ると、ちょっと文字の薄れているページがあります。これについては、申しわけありません。というしかありません。思いがけない「発見」に、自分自身が、読みやすいんですが。
                 季里のシリーズも、老眼用文庫で出してくれれば……と思いますが、その前に、ブルーベリーのサプリメントか何かを飲んだほうが早いかもしれませんね。
                 
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                kindle本

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                   私も、本が増えてきて、家族から苦情が出るほどになったので、ついにKindle に手を出しました。ビュワーは何かとめんどくさいので、PC版のビュワーで、机で読んでいます。 
                   とにかく、電子書籍で飼うべき本は、名作の全集、「太宰治大全」「宮沢賢治全集」といった、ときどき引用や参照に使う本です。また、実用書の類などにも食指を動かしています。
                   ライトノベルは、参考になるもので、すぐに読みたい者しか買いません。手取りが低いからです。
                   まあ、例えば太宰治の全集にも、まちがいはどこにでもあるものなので、裏をとる手間があるんですが。あと、PC版のKindleは、検索機能が非常に弱いです。

                   ライトノベルやミステリの気になる新刊は、多少きついときでも、新刊を買っています。これは、電書による収入の問題です。本は、紙の本が出て、売れなければ、アウトであります。
                   
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                  内田美奈子さん

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                     内田美奈子さんには、Twitter で知り合いました。
                     もちろん、作品はそれ以前からの大ファンだったのですが、誰かのリツイートで「内田美奈子」と出てきたので、念のため、あまり有名ではない(ああっ、ごめんなさい)「『DAY IN,DAY OUT』を描かれた内田さんですか」とうかがったら、「それは私です」と言われて、相互フォローになりました。
                     で、こんなことを書いているのは、有名人に逢えたよいいだろう、という話ではなく(ある分野では、私もそれなりに有名人だ、と思っております。例えば「日本幻想作家事典」)、ほんとうにすばらしい内田さんの作品が、「マンガ図書館Z 」に、山とある、ということです。古本で探すのはもちろんいいんですが、最近の人は、古本屋(ブックオフを含めて)で本が売れても、著者には1円も入らないということを知らない方も多いらしいので、広告費などが入る、マンガ図書館Zをお勧めしておきます。「BOOM TOWN」もしびれます。
                     内田さんの作品を読んでいると、文芸はキャラクターだな、というのが、よく分かります。とにかく喜怒哀楽、すべてが際立っているんですよね。
                     あとは、ご自分の目で、お確かめ下さい。読むだけなら無料ですので。
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                    悪人の資格

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                      最近、春日太一さん(映画史・時代劇研究家)の著作を、集中して読んでいます。いや、集中して読む気はなかったんですが、続けて本が出るもので。時代劇の本が、続けて5冊ほど出たでしょうか。愛読しています。
                       一気に読んでしまうのが惜しいほど、濃密でアグレッシヴな文章で、奮起させられるのですが、私がなぜ、時代劇に関する本を読むかというと、そこに、勧善懲悪のポイントがあるように思うからです。
                       例えば「メイド刑事」のような、勧善懲悪の物語には、主人公の少女ヒーローとしての原理と、悪人の、退治されるべき悪の原理が衝突することを、考える必要があります。そこが、「メイド刑事」以降、いろいろあって、私の中で磨り減ってしまったんですね。悪人にも悪人なりの理由があるだろう、とか。
                       それは、ドラマツルギーとしては当然あり得ることなのですが、それでは、勧善懲悪の物語にどうしても必要な、カタルシスが生まれてきません。普通に悪玉だから、ということでは、闘いにならないのです。どうしても倒したい(殺したい、ではありませんので念のため)そんな悪人を作り上げたとき、初めてヒーローが乗り出す動機になります。
                       そんなことは当たり前だ、と言われそうですが、人間、ちょっと知恵がついてくると、単純な原理が分からなくなってしまうものなんですね……。
                       とにかく、私はこれからも勧善懲悪の物語を書くし、それは、いつも心の底にあるものだ、と思っています。
                       「スケバン刑事」では(TVで)「てめえらのような小悪党は許せねえんだ」、という迷台詞がありましたが、小悪党じゃだめなんですよね……。


                       
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