藤田淑子さん死去
声優の藤田淑子さんが、亡くなりました。
代表作は「一休さん」ということになるでしょうが、「吸血姫美夕」としては、「ドラマ・スペシャルII」の「思い出の瞳」のマダム役を演じて下さった方です。
もう少し、詳しく書くと、TV「吸血姫美夕」には、2枚のオリジナルCD「ドラマ・スペシャル」と、ラジオ放送されたオリジナルドラマ「CDシネマIV」があるのですが、いずれも一枚に二話(例外的に、小中千昭さんが書いたCDシネマ3は、4話オムニバスで一枚となっています)の、オリジナルドラマが収録されています。
で、「スペシャルII」は、冷羽の幼少期を書いた(いや、TVでも充分に子どもですが)「冷羽ふたび」と、死無と美夕の出逢いを書いた「思い出の瞳」の二話になっています。藤田さんがお出になったのが、「思い出の瞳」というわけです。
美夕と死無の出逢いを描いたこのドラマは、結局、終戦後から間もない、東京の歓楽街を舞台にして(分かりやすく言うと、風俗です)その中でも顔役のマダム(藤田さん)と、妹の幸子(金月真美さん)、店の用心棒・辰(檜山修之さん)を中心とする人びとに、神魔(銀河万丈さん)が絡む話ですが、これは前に言ったな……まあ、いいや。藤田さんは女娼役の若い女優さんに、「こうするとそれらしくなるわよ」と、優しくアドバイスして下さったり、赤線(意味は調べて下さい)を若い声優の皆さんに説明して下さったりして下さいました。もっとも「なんで私が赤線の説明をしなきゃならないのよ(笑)」と言ってはいらっしゃいましたが。申しわけないことです。
藤田さんはデビューが早いので、この頃(1997年頃)でも充分にベテランの貫禄でしたが、自分の現場を明るくかつ知見を持って、演じていらして、私はぶっちゃけ、「だからベテランはいいなあ……」と思ったものですが、68歳は、ちょっと若すぎましたね。
合掌。