うらそえ日記

奇談小説家・早見慎司(早見裕司)の公式ブログです。
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TV「吸血姫美夕」20周年

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     1997年10月7日に、TV「吸血姫美夕」の放映が開始されて(東京において)、ちょうど20周年になります。

     ……と言っても、実はその3日前、10月4日に、私は1話の白箱を渡されて、見ていたのでした。

     「白箱」というのは、完成した作品を、関係者に配るビデオテープのことで、普通、業務用の無印のテープを使っていたので、ケースが無地の白で「白箱」と言うのでした。

     私が、全話の白箱をもらっているわけではなく、ごく初期のことだ、と記憶します。このブログを読んでいる方はご存じの通り、第2話が急遽、放映中止になり、3話が2話になってしまい、また、たしか予定では、(この辺、記憶が曖昧なのですが)4話になるはずだった「セピアの肖像」が、3話になってしまう、というような、混乱がありました。

     2話が中止になった原因は、もう、いやっ、というほど書きましたので、それでも気になる方は、このブログの中を捜してみて下さい。「セピアの肖像」の前に来るはずだった「冷羽が来た」は、トラブルがあって、完成が滞ってしまい、第4話にずれこむこととなりました。

     DVDも、もう品切れだ、と思うので、放映されたバージョンで、どう変えられていたのか、など説明するといいのかもしれませんが、それは私の仕事ではありませんね。

     ちょっとだけ書いておくと、例えば1話では、

      (TV)公園の蛍光灯が切れかけているのが、冒頭、延々と映し出される。

      (本来)切れかけた蛍光灯のまたたきに、女子高生(上村)の死に顔が、明滅しながら映し出される。

     つまり、仮にも天下の平野監督が、何の設計もなく、イメージショットを延々流すわけがない、ってことです。この話数の頃は、絵コンテも、もらえたんですが、監督の描いた死に顔の、まあうまいこと、うまいこと。さすがだなあ、と感心しておりました。

     その辺、パソコン通信を(古いね、私も)始めたばかりの私は、愚直に視聴者の声を聴いて、いちいち疑問を持ったり、歯がゆい思いをしたり、そして助けても、もらいましたが、それも今は昔の話になりました。

     うーん、やっぱり、当事者の昔話は美しくありませんね。私に言えるのは、DVDで見て欲しい(私には一円も入りませんが)、ということです。

     どうも、うまく話せないのは、この作品の最大のファンが、自分だ、と言うことかも知れませんね。お恥ずかしい。

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    パラグラフとパラダイム

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       私は、自分が書いたものをあまり見ないたちです。自分を縮小再生産しかねないからです。

       で、ブログもかきっぱなしだったんですが、ふと気づいて、調べてみたら、「吸血姫美夕」2話の、「次の駅で」に対するコメントのコメントで、「パラグラフが違う」と書いていたんですが、パラダイムのまちがいでした。ああ、もう……お許し下さい。

       その上で、ものを作る人のパラダイムは、大事にしなければならない、と思っています。

       この話、暇があるとき、細かく調べてみよう、とは思うんですが、忙しいので(本がでなくても忙しいのは忙しいです)、いずれまた、お話をすることも、あるのではないか、と思いますが、お油脂を。

       ちなみにパラグラフは、念のため、「段落のことです。

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      水谷優子さん死去

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         声優の水谷優子さんが亡くなったそうです。51歳の若さでした。
         水谷さんと言えば、小説「声優シンデレラ」(コバルト・ピンキー文庫)や、OVAの「強殖装甲ガイバー」の瑞紀役などもあり、私のような年寄りには、「ドテラマン」でブレイクした方というのもあるんですが、ごく個人的には、TV「美夕」の冷羽の母親が忘れられません。
         冷羽の母は、出番は少ないのですが、重要な役であり、いま公表された年齢から逆算すると、ごく若いのですが、芸熱心で知られる方で、堂々の貫禄で演じていらっしゃいました。

         これは、何回か書いたことですが、TV「美夕」で、美夕を演じた長沢美樹さんが、ある回で自分の出番が終わった後、冷羽の父母の大塚明夫さんと水谷さん、それに長澤さんがドラマCDの収録をすることになったんですね。で、長澤さんは、ご自分の出番が終わった後も、TVの方でのからみがその後あるので(正確に言うと、母親は直接はからみませんが、同じ回に出ますから)、誰に言われるでもなく、スタジオに残って大塚さん、水谷さんの芝居をじっ……と聴いていらして、終わった後、お茶などを片づけて、帰られました。で、高屋良樹さんにそのお話をしたところ、「ガイバー」での水谷さんも、まさにそういう方であった、と。
         そういう方たちに、アニメは支えられていたんだなあ……と思います。
         水谷さんが冷羽の母を演じられたのは、「美夕」23話「対決のとき」、ドラマCDは、「吸血姫美夕」ドラマ・スペシャル兇痢◆嵶箟 〜風の中で〜」です。今夜は、じっと聴きながら、故人を偲ぼう――と思います。
         
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        松風(吸血姫美夕)

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           きょう、寝ようとしていて、ふっ、と思い出したのでひと言。TV版「吸血姫美夕」には、冷羽と松風のコンビが出てきますが、冷羽のほうは、監督か垣野内さんかの権限で名前をつけていますが(死無もそう)、松風は、私が発案した名前です。
           なぜ、20年前のことがくっきりと思い出されるか、と言うと、「松風」というのは、日本一薄い和菓子の名前なんですが、これ、映画でも大ヒットした「八甲田山死の彷徨」(映画では「八甲田山」)という小説に、出てくるんですね。慰問というのか、義捐というのか、そういうものが青森に届いた、とあります。その名前を覚えていて、つけたんです。
           松風は、雪女とのコンビですから(はい。ざっくりと言っています)雪から連想してつけたのですが、元が品格のいいものですので、名前の上品さと、裏腹のコントラストもできて、私としては珍しく、ネーミングに成功したほうではないか、と思います。
           「美夕」では、神魔の名前も各話の担当脚本家がつけることに決まっていたのですが、こっちのほうは、あまりうまくありませんね、私は。
           以上、寝る前のひとつ話でした。


           
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          カットされた台詞

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             仕事で、深夜(というか、もう早朝ですが)まで起きていなければいけなかったので、気付けに、「吸血姫美夕」をかけねがら、やっていました。
             そこでふっ、と思い出したのですが、「美夕」の最終回です。いままで私、この回は脚本を一言一句替えられていない、と言いましたが、勘違いであることに気づきました。大きな台詞で、ラストの方で、千里、由香利、久恵の三人が、学校のベンチでぼうっとしているところに、美夕の台詞がかぶることになっていました。
             「美夕」の脚本は、AICの買い取りなので、書けませんが、私がひとつ節で書いている、2話の千里の「いつまでも、子どもでいたい」、という台詞に照応するものです。
             カットになった理由は、他に語るべきことがいっぱいで、何とか尺に収めたのと、突飛な感じで出てくるのと……とにかく、入らなくてよかった、というようなものです。その回、いや、シリーズ全体で、追究してきたものなので、わざわざ入れる必要はない、ということでしょう。
             でも、ときどき思い出します。もう20年も前のアニメなのに。まあ、自分で好きになれることを書いたのと、なじんできたので、オールデイズのような感じで、見ているのですが。
             「新しい」アニメも、見ないわけではありません。最近は、「苺ましまろ」を見ていますが、まあ、これもそんなに新しくはないですけどね。
             
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            麻生美代子さん、お疲れ様でした

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               「サザエさん」のお母さん、フネさん役の麻生美代子さんが、同番組を降板することになりました。長い間、ほんとうにお疲れ様でした。89歳ならば、しかたがありませんね。
               でまあ、私にとっての麻生美代子さんは、フネさん役も、もちろんですが、やはりTV「吸血姫美夕」の傑作回「人魚の夢」での水族館長が、何より印象に残っています。この話は、前にも書きましたね。
               とにかく、「人魚の夢」は、1)美術が多すぎて現場が悲鳴を上げている、2)現場から、「美形が出ない」(当時はまだ、「イケメン」とは言わなかったんじゃないかなあ)という声が出た、というのと、個人的に、キャストの出し過ぎへの反省で、バスの窓を透過光で飛ばして風景を省略したり、人物を絞り込んだりして、結果としてはセリフ勝負になったような次第で、それを更に、大地丙太郎さん・三條なみみさんが上手い具合に仕上げて下さったのですが、麻生さんのセリフ回しは、私が思い描いていたもの、そのものでした。
               私は、演劇をそんなに観ないのですが、「人魚の夢」は別役実氏で行こう、と思って書いたのが、思った通りにやっていただけたその中でも、麻生さんと、それを受けて立った長沢美樹さんとの対決は、凄いものでした。ニコニコ動画で、有料(108ポイント)で見られますので、ご興味のある方はどうぞ。
               なお、TV「吸血姫美夕」で、少なくとも私の話数は、「アフレコを観に来てもいいけど、一切、口出しをしないこと」というのが平野監督とのお約束でして、そうでなくとも筆の遅い私が、アフレコを観に行く余裕はなかなかなく、「人魚の夢」も、現場でのご理解でやって下さっていたもので、別役実のべの字も出ていません。麻生さんの、深い読解力があってのことと思います。
               もうそろそろ、「美夕」も20年になるんですね。昔話は、朽ちていくだけです。
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              「吸血姫美夕」について書くことについて

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                 何かの拍子に、かみさんと「吸血姫美夕」の話になって、かみさんが「いつまで『過去の栄光』にしがみついているの」、と言いました。「過去の栄光」ね(笑)。
                 ブログを読まないかみさんが言う、ってことは、ここを読んでいる人も、何割かはそう思っていることでしょうね。やれやれ。
                 私にとって「吸血姫美夕」は(あ、ノヴェライズを除いてですが)、栄光どころか、極端に言うとトラウマのようなもので、未だにあれを超える話が書けない……と思ったんですが、それも、まちがっていますね。「異形コレクション」「悪夢が嗤う瞬間」「黒ノ十三」「恐怖館」などに書いた短篇に、私は自信をもっていますので。
                 じゃあ「美夕」は、というと、後にも先にも全くない体験が強烈だったのと、書いてはいけないことが引っかかっていて、それを言わないことの苦しさ、というのが引っかかっていて、これはもう、強烈を通り越して精神科へ飛びこんだような具合で。
                 要するに、話したいんでしょうね……。
                 ですが、やっぱり話せないでしょうねえ。
                 それにしても、しつこすぎるな、と思っているところです。もう、こんなに日が経っているというのに。
                 怒りとか、そういう感情ではなく、「寝に持ってます」(by在日ファンク)という感じのものが、胸の辺りにつっかえていて、そのとき相手を罵倒できなかった(いまも、「罵倒」はしませんが)そういう経験というのは、人を幼稚化させるものです。私にとっての「美夕」は、そういうものです。

                 
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                声優魂・大塚明夫

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                   「吸血姫美夕」でたいへんお世話になった大塚明夫さんの「声優魂」(星海社新書)が出ました。
                   これを見ると、「美夕」の頃は、大塚さんは40歳前だった、と分かりましたが、そんな若さを感じさせない、堂々とした演技でした。だからこそ、平野監督が二度に亘って(「セピアの肖像」の主人公と、冷羽の父)大きな役をお任せしたのでしょうが。
                   その人のことばだから、私も真剣に読みましたが、これは嘘のない本だ、と思います。「声優だけはやめておけ」という帯の文句は、逆説ではありません。声優が、なろうとしてなれるものではないこととか、いかに儲からないかとか、そもそもなろうと思った時点でバカだとか、時に過剰に思えるほどの、辛辣な、しかし、本当のことを書いています。
                   私が、まあないでしょうが、小説家の成り方の本を書いたとしたら、これぐらいのことを書かなければならないのではないか、とも思いました。

                   だけどねえ……こういうことって、言われるとむかつくことしかできない人も、いるんですよねえ……。
                   そういう人は、最後の1Pを、読んでいないんじゃないか、と思います。
                   「吸血姫美夕」の、芝居小屋のシーン、ここ、実は殆ど演技をつけていないんですね。どさ回りの厳談の「蘆屋道満大内鑑、のつもり」、のところですが、歌舞伎の節回しを、全員が引き出しを開けて、それらしく演じている。見ている人には分からない人もいると思いますが、あれが、声優です。
                   なんとか、大塚さんのように、芸の上で切磋琢磨できる時台が、来ますように……。

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                  「吸血姫美夕」と「ちゃんちゃん」

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                    音楽の整理をしていたら、「吸血姫美夕」が出てきたので、しばし、聴き入りました。
                     実際にやっているときには気づきませんでしたが、「吸血姫美夕」には、いわゆる「ちゃんちゃん」、の音楽がないんですね。私は割合、BGM集を買うほうですが、あの当時の、とんがっていた配島邦明さんの「南海奇皇」ですら、「ちゃんちゃん」、のジングルがあるのです。配島さんの分厚いサウンドでやる「ちゃんちゃん」は、それはそれで趣があると言えばあるんですけれど、やはり違和感を感じました。
                     「吸血姫美夕」では、「ちゃんちゃん」の入りそうなカットが、1カットだけあります。「美夕の亡霊」の回の、千里が「なんなのよー、いったい」と素っ頓狂なリアクションをするところです。あれは完全に失敗で(というと、平野監督には申しわけない限りですが)、DVD版では、直してあります。ここに「ちゃんちゃん」を入れると、全体のバランスが崩れるのもそうですし、あくまで私個人の考えでは、TV「美夕」の世界観の中には、おちゃらける要素は、入らなかったのです。絶対に、その緊張感が伝わってくれる――そう私は信じていました。
                     「美夕」のBGMでいちばん好きなのは、神魔・トンビが出てくるところの、シャンソンが、私個人には忘れられません。残念ながら、サントラCDには入らなかったのですが、DVDでときどき、聴いています。
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                    シナリオの枚数

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                      テレビの30分アニメは、正味24分30秒ぐらいです。
                      それに合わせるには、だいたい、25枚ぐらいの脚本がいいのかな、とは「美夕」をやってみて、感じたことです。
                       あるいは、演出の意図なのかもしれませんが、「美夕」の最終話は、最後の美夕の台詞のあと、3秒ぐらい、間があってもいいのではないか、と思ったのですが、脚本が30枚あったのを、活かすためだったのかもしれません。まあ、まったくの憶測ですが、この脚本を、とても大事にして下さったので、そう思うわけです。
                       私が担当した「美夕」の脚本で、いちばん長いのは、「美夕昔語り」で、400字で35枚ありました。いくらなんでも長すぎるので、ばさばさ切ってありますが、本筋はぶれていません。これが、映像の力ですね。


                       
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